全国読書作文コンクール
1.コンクールの趣旨
産業社会の進展とともに、我が国は、経済大国の1つとして世界的に責任のある存在となっています。
経済主導による情報量の拡大は、我が国の多くの分野にさまざまな影響を及ぼしています。青少年の教育の分野においても例外ではありません。その顕著な例の一つが活字ばなれです。家庭においては、生活時間の多くをテレビを始めとする映像に奪われ、書店店頭においては雑誌の売り上げが書籍の売り上げを上回るようになってきています。とくに、写真やコミックに関する雑誌の伸びが著しく、このような生活環境の下で、児童生徒の文章読解力は低下の一途をたどっています。読書をしない、もしくは読書をする機会に恵まれない子供の多くは、自分の考えを正確に表現することに苦手意識をもち、表現力に欠ける傾向を持っています。こうした子供達の増加は由々しき問題であるといわなければなりません。
近代文明の利器を活用することはもちろん大切なことです。しかし、音楽を聞き流し、テレビに吸い寄せられ、ファミコンに夢中になる子供達の受け身の生活態度には、成長期の、創造性を培わなければならない時期の生活姿勢として大いに反省すべき要素を含んでいます。あふれるほどの情報の中から、たとえ多少の時間を必要としても、じっくりものごとの本質を見極め、積極的で主体的な判断力をもち、感性にも富む情緒豊かな青少年を育成するためには、読書の果たす役割の大きなことは論をまちません。
幸いにも当協会の会員の多くは、従来から読書指導に大きな関心を持ち、実際に指導を行っています。その実践をふまえて、当協会が、明日を担う児童生徒に、良書との出会いにより感動することのすばらしさを体得する機会を与え、豊かな心の成長を期するとともに、その感動を文章に表現することによって読書力・文章力・創造力の向上を図ろうとするものです。
2.コンクールの目的
明日を担う児童生徒に、良書との出会いにより感動することのすばらしさを体得する機会を与え、豊かな感性を育むとともに、その感動を文章に表現することによって読書力・文章力・創造力の向上を図ります。
社団法人全国学習塾協会は、全国読書作文コンクールを通して子どもたちが読書・作文に親しむことで「子どもの居場所」を提供するひとつの機会となることを願っています。
3.読書作文とは
本を読んで感じたことを文章にすれば、それはすべて読書作文です。
本を読んでいて「不思議だな」「いい言葉だな」「同じようなことを経験したことがあるぞ」「涙が出そうだ」「何でだろう」「これは変だぞ」「ここがポイントだぞ」「私もこうなりたい」「わくわくした」・・・こんな場面がきっとあるはずです。それを文章にしてください。いわゆる感想文でも結構です。結論があってもなくても結構です。
文章の様式も問いません。書きたいように書いてください。
例えば、詩でも、手紙でも、お話の続きでも構いません。
自分の気持ちを大切に、自分の考え・自分の思いに素直に向き合い、とびきりの言葉でつづってください。
4.読書作文の書き方のヒント
読書作文は、言いかえれば「本を読むこと」と「文章に書くこと」という意味ですから、
範囲がとても広いです。読書感想文も読書作文の一部ということになります。
読書で楽しいことって何でしょう。それはたくさんあると思いますが、少なくともそのひとつは、自分が本に登場する人の気持ちになって考えることができることです。
「主人公の父親が蒸発した。主人公は父親捜しの旅に出た。」
「主人公とレギュラー選手を争うライバルは、努力しなくても才能がある。」
本の世界を旅して、本を通して、「自分自身の心の中身」をふり返って下さい。
私たちが読書作文について考えていることは、『本の感想文にとどまらず、本から触発されて自分の考えを自分のことばで書いてほしい』ということです。『物語のあらすじを追わないで書いてほしい』、また、『主人公や登場人物の言動や考えとみなさんの思いが違ってもいい』ということです。むしろ、違うのが当たり前なのかもしれません。
本を読んで自分の気持ちや考えが大きくわき起こったとき、それを気持ちとぴったりな言葉にできたらすばらしいことです。でも、その気持ちを言葉にできないこともあるでしょう。
例えば、
「たのしいけどさびしい」
「うれしいけど涙がでそう」
そんな気持ちだけど、言葉にするとそれだけではないような気がする、というように・・・。
自分の気持ちや考えと言葉がどうしたら釣り合うか、そのときはどうぞ悩んでください。迷ってください。ふさわしい言葉はこれだという答えを私たちは用意していません。その言葉はみなさん自身が探し出すものだからです。たとえ探し出せなかったとしても、その悩みや迷いや試行錯誤を文章に表してもらえれば、すばらしい読書作文ができると思います。