「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」に沿った
学習塾における子どもの安全対策について
京都府宇治市の学習塾において、平成17年12月10日、女子児童がアルバイト講師に殺害されるという痛ましい事件が起きました。また、通塾中の子どもが通り魔に遭って負傷したり、不審者に声かけされる事案などが頻発している現状に鑑み、社団法人全国学習塾協会では「学習塾に通う児童生徒の安全確保のためのガイドライン」を制定いたしました。
学習塾事業者の皆様には、すでに何らかの取り組みや注意喚起をされていらっしゃる方も少なくないと思われますが、この機会に全職員及び塾生・保護者の皆様にお知らせいただきたいと思います。
「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」の概要
@次の方法で通塾時における子どもの安全を確保しましょう。
通塾方法等の把握と安全性の確認について
■子どもの通塾方法・経路を把握するために、子どもに通塾方法・経路を届け出させるようにしてください。
■次に、届け出た子どもの通塾方法・経路に関して、例えば人通りが少ない道路があるなど安全性に問題等はないかリスクを分析して、できる範囲でリスクを回避するための方策を講じ、子ども・保護者に報告してください。
☆具体的には、「通塾経路安全マップ」の作成などが効果的です。
不審者情報の収集・提供について
■通塾圏内の不審者情報を積極的に収集するとともに、当該情報を学習塾の業務に従事する全ての教職員(学習塾教職員)に周知し、さらに子ども・保護者に知らせてください。
☆都道府県や市町村等においてホームページ、メール配信の方法により不審者情報・事件情報を公開しています。
■子どもなどから収集した不審者の出没に関する情報は、迅速に警察への通報・届出を行ってください。
保護者または学習塾教職員による送迎の実施について
■子どもが通塾時に一人にならないよう、できる限り保護者の付き添いのもとに通塾することを周知してください。
■通塾時間帯が一定の場合には、代表者の責任の下に、学習塾教職員による出迎え・見送りの実施に努めてください。
■子どもの登塾、退塾(入室、退室)の正確な時刻を保護者に告知するために、できる範囲で設備・システムの構築に努めてください。
この項目に関連する協会賛助会員企業はこちら
防犯機器の活用について
■子ども一人ひとりに、防犯ブザー等の防犯機器を貸与、配布、または携行させてください。地域によってはすでに自治体や学校で防犯具の貸与を受けた子どもも少なくないので、当該生徒の携行の徹底をお願いします。
この項目に関連する協会賛助会員企業はこちら
A次の方法で学習塾教職員の資質の向上を図りましょう。
学習塾教職員の採用方法の適正化について
■代表者は、学習塾教職員の採用時において、「学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン」を交付して、応募者本人にこれを理解・実践できるかを確認し、誓約書を提出させてください。
■代表者自らが応募者本人の履歴及び現状確認を行うとともに、面接などを慎重に実施するとともに、その方法についても工夫し、応募者の人格的本質を発見するよう努めてください。
■代表者は、学習塾教職員の採用について、子どもの権利の遵守を必要不可欠な採用基準としてください。
☆「児童の権利に関する条約」において規定されている主な子どもの権利は次のようなものがあります。
・生きる権利及び育つ権利(第6条)
・表現の自由(第13条)
・プライバシー・名誉の保護を受ける権利(第16条)
・身体的・精神的虐待から保護される権利(第19条)
・教育を受ける権利(第28条)
・性的搾取及び性的虐待から保護される権利(第34条)
■代表者は、学習塾教職員を採用するに当たり、雇用開始から一定期間は試用期間を設けてください。
学習塾教職員の教育・研修について
■代表者は、学習塾に通う子どもの安全確保ガイドラインを守るために、安全教育責任者を設置し、学習塾教職員の教育・研修を行ってください。
■代表者は、学習塾教職員に対して、学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン及び学習塾関係法令の教育・研修を実施してください。この教育・研修は定期的に行い、特に新規採用の学習塾職員に対しては、必ず行ってください。
■代表者は、教育・研修から一定期間をおいた後に、その教育・研修に関する筆記による本ガイドライン、学習塾関係法令の確認試験を実施してください。
子ども及び保護者に対する行動基準について
■次の事柄を学習塾教職員の行動基準としてください。
子ども及び保護者との関係において、倫理的な行動に努めなければなりません。
子ども及び保護者の利益を最優先しなければなりません。
子ども及び保護者の意思・決定を尊重しなければなりません。
子ども及び保護者等の人権を尊重しなければなりません。
B次の方法で安全を重視した学習環境の整備を行いましょう。
学習塾教職員の業務及び行動の監督・確認について
■代表者は、社内に業務監督責任者を置き、すべての学習塾教職員の学習塾に通う子どもの安全確保ガイドラインの遵守と業務及び教室における行動を点検・監督を行ってください。
■業務監督責任者は、業務日報、映像、教室巡回等の方法により、学習塾教職員を監督してください。
■業務監督責任者は、子どもや保護者から任意で代表者や全学習塾教職員の業務と行動に関して、定期的にアンケートを取り、集計・分析し、学習塾に通う子どもの安全確保ガイドライン遵守の重要な要素として活用してください。
☆具体的には、お客様相談窓口を設置して、主として電話やメール等により保護者からの意見・要望・苦情を受け付け、一元的に管理し、対応及び分析、チェックすることも効果的です。
学習塾内の施設・設備の安全確保について
■代表者は、学習塾の施設・設備の安全確保のために次に掲げる所要の措置を行ってください。
(1)門や玄関等の施錠
(2)受付場所等の設定
(3)教室内等の安全対策
(4)学習塾の施設・設備の安全点検
(5)通報装置・防犯器具等の活用
(6)不審者の隔離場所の設置
緊急時における組織・連絡体制等について
■代表者は、緊急時において、迅速で的確な対応を図るため、組織連絡体制を整備し、学習塾教職員に周知徹底をしてください。
■代表者は、防犯訓練等を、学習塾教職員、子ども・保護者に対して行うように努めてください。
不審者侵入時等の対応について
■代表者は、子どもの安全管理のために、外部からの危機を防止する危機管理マニュアル等を作成し、学習塾教職員に周知徹底をしてください。
また、そのために必要な設備・機器等を用意し、人員の確保を行ってください。